あと施工アンカーの試験および検査
■ 施工したあと施工アンカーの性能検査
施工責任者は、工事完了後、それらが施工計画書通りに施工されていることを、現場責任者とともに自主的に検査をする。なお、接着アンカーの検査および加力試験は、接着剤の硬化時間を要するので、硬化時間を考慮して、所定の強度が発現してから試験・検査を行います。
検査の種類
検査は、「自主検査」と「立会い検査」の2種類があります。
■ 自主検査
あと施工アンカー施工業者が行う自主検査とは、原則として、アンカー全数を対象として行い、加力試験(非破壊試験)は行わないのが一般的です。
下記に、検査の種類と内容を示します。
- ▼ 目視検査
- アンカーの種別・径・施工位置・本数・角度・母材からの突出寸法等を必要により計測器を用いて施工計画書(設計図・施工図)との照合をします。
- ▼ 接触検査
- アンカーを直接手で触り、アンカーの固着状態(がたつきの有無、接着剤の硬化状態)の判定をします。
- ▼ 打音検査
- おねじアンカーは、その出しろ部分、めねじアンカーは、ボルトを差し込みその出しろ部分をハンマーで叩き、その打撃音が高い金属音か、鈍い金属音(濁音)かにより、アンカーの固着状態を判定をします。
■ 立会い検査(加力試験)
立会い検査とは、加力・測定装置を用いた試験のことです。
この試験は、本設のアンカーを対象として行う非破壊試験と試験用に設置したアンカーを対象として行う、破壊試験とに大別されます。
- ▼ 非破壊試験
- 非破壊試験は、原則として変位の測定はせず、施工した全本数の0.5%以上または3本以上を対象として引張加力試験を行います。
試験の実施は、施工責任者が自主的に必要と判断した場合に行うものと、管理者(総合建築業)が立会いのもと本試験として行うものとがあります。
<判定基準>
(1)一般には、設計用引張強度に等しい荷重まで引張加力を行い、この荷重に対してアンカーの抜け出し等の過大な変形を起こさず耐えられれば合格とします。
(2)耐震補強工事の場合には、予想破壊荷重の2/3を検査荷重とし、この荷重に対してアンカーの抜け出し等の過大な変形を起こさず耐えられれば合格とします。
<留意事項>
これらは、(財)日本建築防災協会で定めている方法であり、予想破壊荷重とは、同協会の提案式で計算した値です。
- ▼ 破壊試験
- 破壊試験は、コンクリート等の母材が本設のアンカーとできるだけ近い条件の場所を選んで行います。また、加力には、引張加力とせん断加力の2タイプがあります。
試験本数は、各アンカー種別・加力方式ごとに少なくとも3本以上、できれば5本以上で行うことが望ましいです。
<判定基準>
(1)3本の場合には、それらの結果の平均値と最大値・最小値などに基づき、強度・変形性能を判断します。
(2)5本以上の場合には、最大・最小の値を除外した残りの値の平均値と全体の値のばらつき(標準偏差、または最大値・最小値)などに基づき、強度・変形性能を判断します。
| 項目 | 判定基準 | 試験・検査方法 | 頻度 |
|---|---|---|---|
| 目視検査 | アンカー種類・径・施工位置・本数・角度・突出寸法が、施工計画書および施工確認シート通りであること。 接着系アンカーでは、接着剤が母材表面に達していること |
目視で検査 | 全数 |
| 接触検査 | がたつきのないこと 接着剤が硬化していること |
直接手で触り検査 | 全数 |
| 打音検査 | 金属音であり、濁音ではないこと 適度の反応があること |
アンカーの出しろ部分をハンマーで叩く | 全数 |
| 非破壊検査 | 抜け出し等の過大な変位がないこと | 設計用引張強度に等しい荷重または耐震補強工事の場合には、予想破壊荷重の2/3まで加力する | 全本数の0.5% 少なくとも3本以上 |
| 破壊検査 | 所定の強度・剛性を有すること | 破壊に至るまで引張加力および変位を測定する | アンカー種別・加力方式ごとに少なくとも3本以上、できれば5本以上 |





